バンガードを知っていますか?
世界のETF大手といえば、「ブラックロック」「スパーク」「バンガード」の3社です。
そのなかでも「バンガード」は指数に連動したインデックス型のファンドでは低コストを武器に世界トップクラスの金額を運用しています。
バンガードの会社の構造などから信託報酬を低く抑えられる理由を見てみようと思います。
バーンガードの手数料が安い理由
バンガードのETFがここまで手数料を低く抑えることができるのには、独特の会社構造と運用の仕組みに秘密があります。
ではそれぞれどのような工夫がほどこされているのかみてみましょう。
バンガードの会社構造
バンガードが投資信託、ETFのコストをかなりの水準まで抑えることができる理由のひとつは会社構造にあります。
通常の運用会社の構造
通常の運用会社では株式会社の形をとっているものが多いです。下記のように、外部の株主が支配する投信会社が作る投資信託に対して私たち投資家が資産を預けます。株式会社の形をとっていいます。
この形態だと投資家の払った手数料で運用会社は利益を上げ、その利益の一部は運用会社の株主に分配されます。
バンガードの会社構造
バンガードは少し変わった仕組みを使っています。ファンドの投資家がバンガードが販売する投資信託自体を通じてバンガード社を所有する仕組みになっています。保険会社にある相互会社に近い形態です。
このような会社の仕組みにすることで、会社の利益を外部の株主ではなく、手数料を下げるなどしてファンドに投資してくれた投資家に還元することができます。
バンガードのETFの構造
また、ETFを含めたバンガードのファンド構造も低コストを実現するために独特の構造をしています。
通常のETFの構造
投資家からお金を集めて、ETFなどのファンドを作ります。そしてそのファンドで集まったお金の中で株などを買い、ポートフォリオを作ります。
特に運用会社は様々なファンドを作り売り出すので、ひとつひとつの金額が小さくても様々なファンドで様々なポートフォリを作ります。
バンガードのETFの構造
バンガードのETFの構造は少し特殊です。
バンガードが販売する商品の多くはインデックスファンドのため、ETF、機関投資家向けの商品、投資信託どれをとっても同じ指標を使っているならポートフォリオは同じです。なので売買する窓口だけが違う商品が複数あります。
そこで運用するファンドはひとつにまとめてしまい、そのファンドを細分化した持分である「シェアクラス」を投資家は買います。
その結果、様々な投資家から集めた資金で大きなポートフォリオを組み運用することで、売買手数料や管理にかかる費用を抑えることができます。
機関投資家向けと個人向けの投資信託などシャアクラスとして分ける運用会社は今までもありましたが、上場投資信託である「ETF」もシェアクラスにしてしまう仕組みはバンガードが特許を持っています。
おかげで規模の利益を追求でき、常にトップクラスに安い手数料を実現できています。
まとめ
インデックスのETFでは運用会社最大手のブラックロックをはじめとして、資産規模の大きい運用会社がしのぎを削っています。たとえば、フィデリティは指標を内製化してさらに手数料の安いインデックスファンドを作ろうとしています。
ぜひETFや投資信託のコストにも注目して投資してみてください。
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