マーケットインフラ(取引所周り)の業界地図

マーケットインフラの業界地図 企業研究
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マーケットインフラ業界とは

通常のインフラ業界というと水道、ガス、電気などの日常を支える安定した業界を想像すると思います。
同じように株式市場や銀行送金など、金融業のインフラを支える存在としてマーケットインフラがあります。

具体的には株などの売買の場を提供する東京証券取引所、銀行間の送金のシステムを管理する全国銀行協会をはじめとして様々な会社が存在しています。

一見、目立たない業界ですが、安定性や公共性、高めの給料ということもあって就活生のあいだでも一定の人気があります。
ただ採用人数も少なく、新卒で入るには運も必要な人気の業界です。

マーケットインフラ(取引所周辺)業界地図

ひとつのページにまとめるのが難しいため、今回は取引所とその周辺業務に絞って作りました。そのため、全銀協や短資会社は入っていません。

※売買代金は1日の平均売買代金です。
※営業収益は売上に近い概念です。

業界概要

それぞれの業界がどのようなものなのかをざっくり見ていきます。

取引所

株式の取引所といえば「東証」という印象がありますが、地方にもいくつか存在します。ただ、東京証券取引所と大阪証券取引所が統合し、日本取引所グループになってからはすっかり存在感がなくなってしまいました。
札幌証券取引所にはRAIZAPが上場していますが、RAIZAP側は東証への鞍替えを考えています。

現状の日本取引所グループは東証が株式やETF、大阪取引所がデリバティブをそれぞれが専門に扱っています。
2018年の10月の報道によると、世界で戦う総合取引所となるために日本取引所グループと東京商品取引所統合させる案が出ているようです。

日本国内では存在感のある日本取引所グループも世界でみるとアメリカや中国の背中は遠いでしょう。これからは相対的に弱い、ETF(上場投資信託)やデリバティブの分野などの個別株以外でもしっかりとした地位を築いていくことが課題です。

【チェックポイント】私設取引所(PTS)とダークプール

実は株式の売買は東証などの正式な取引所以外でも行うことができます。

私設取引所

代表的なものがPTS取引でしょう。東証の他に私設取引所と提携している証券会社で取引を行うと、比較してより有利な価格で約定してくれることがあります。
また、SBI証券の夜間取引はジャパンネクストPTSを利用するなど、独自のサービスを行っていたりします。

現状、PTSでは信用取引をすることができませんが、2019年中には10時〜15時の信用取引が解禁される予定です。

ダークプール

PTSと似たものにダークプールがあります。

仕組みなどに大きな違いはありませんが、PTSは注文状況や提示価格を取引をしない人が見れるのに対して、ダークプールではそのような透明性が確保されていない場合ががあります。

ダークプールにはSBI証券やカブドットコム、松井証券などのネット証券が相次いで参入しています。

証券決済と清算

株取引の場合、売買を行ってから株式の権利が実際に自分のものになる(または権利が手を離れる)のに通常2日程度かかります。
その裏側には取引の清算を行う金融商品取引清算機関と振替を行うほふりの存在があります。

日本電子経産株式会社HPより

上の図のように売買を行うときに株式を何株を移動させるかなどを照合します。そして1日の取引が終わった後に、結局株式は誰から誰に渡るのか清算を行います。そして最後にほふりに登録されているデータを更新し、株式の権利が移ります。

株式の証券決済において「ほふり」は独占的に業務を行うことで、株式が誰から誰に渡るのかを正確に管理することができます。

証券金融会社の日本証券金融

現在は独占状態で担っている証券金融会社の日本証券金融も面白い業態です。

日本証券金融HPより

メインの業務は信用取引の仲介、システムの提供です。仕組みとしては信用取引を行う証券会社に株式を貸付たり、そのための株式を機関投資家などから集めたりしています。また、それ以外にも株やETFなどの有価証券を担保に融資も行っています。

今あげた業務は金融庁から証券金融会社として免許をもたなければできない事業です。そして、その免許を持っているのは日本証券金融のみであり、実質的な独占状態です。

参考

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