「ジュニアNISAが終わった後、子どもの教育資金はどうすればいい?」—これに対してやっと後継手段ができる予定です。2027年1月、「こどもNISA」がスタートする見込みです。
2025年12月に決定した令和8年度税制改正大綱に正式に盛り込まれ、0歳から投資できる子ども専用の非課税口座が約4年ぶりに復活します。ジュニアNISAの最大の欠点だった「18歳まで引き出せない」問題も大幅に改善されており、使い勝手は格段によくなりました。
この記事では、こどもNISAの制度概要・ジュニアNISAとの違い・今から準備すべき行動プランまで、競合記事が省きがちな実践的な情報を含めて徹底解説します。
📋 この記事でわかること
- こどもNISAの制度概要(2027年開始予定)
- ジュニアNISA・親の新NISAとの違い・使い分け
- 引き出し制限・贈与税などの注意点
- 2027年開始に向けて今から動ける準備ステップ
⚠️ 本記事は2025年12月19日決定の令和8年度税制改正大綱をもとに執筆しています。正式な制度の詳細は2026年中に順次発表予定です。開始前に最新情報を金融庁・各証券会社でご確認ください。
こどもNISAとは?ジュニアNISAとの「空白期間」を埋める新制度
ジュニアNISAは2023年末に廃止され、2024年からの新NISAは18歳以上が対象となったため、未成年者が利用できる非課税投資制度が約3年間存在しない「空白期間」が生まれていました。
この空白を埋めるため、金融庁とこども家庭庁が連携して制度創設を進めてきたのが「こどもNISA(正式名称:未成年者特定累積投資勘定)」です。現行の新NISAの「つみたて投資枠」を0〜17歳にも開放する形で設計されており、早ければ2027年1月からスタートする見込みです。
こどもNISA 制度の概要まとめ
| 項目 | こどもNISA(2027年〜) | ジュニアNISA(〜2023年) | 親の新NISA(参考) |
|---|---|---|---|
| 対象年齢 | 0〜17歳(未成年) | 0〜17歳 | 18歳以上 |
| 年間投資枠 | 60万円(月5万円) | 80万円 | 最大360万円 |
| 非課税保有限度額 | 600万円 | 400万円 | 1,800万円 |
| 非課税期間 | 無期限 | 5年間 | 無期限 |
| 投資対象 | 投資信託のみ(つみたて) | 株・投資信託など | つみたて+成長投資枠 |
| 引き出し制限 | 12歳以降・本人同意で可 | 原則18歳まで不可 | いつでも可 |
| 18歳到達後 | 新NISA(大人向け)へ移行 | 課税口座へ払出し | — |
ジュニアNISAからここが変わった!3つの改善ポイント
① 引き出し制限が「18歳→12歳」に大幅緩和
ジュニアNISAが普及しなかった最大の理由は「18歳になるまで原則引き出せない」という厳格な制限でした。急な出費や進学のタイミングに対応できず、多くの家庭が敬遠しました。
こどもNISAでは12歳以降、子ども本人の同意を得ることで引き出し可能になります。ちょうど中学進学のタイミングで教育費に充てられる設計は、実情に即した改善といえます。
✅ 12歳以降に使える教育費の目安
中学入学(12歳)、高校入学(15歳)、大学入学(18歳)など、費用が大きくかかるタイミングに合わせて引き出せます。中高一貫の私立では12歳からまとまった資金が必要になるケースも多く、このタイミングは現実的です。
② 非課税保有限度額が400万円→600万円に拡大
ジュニアNISAの上限400万円(年80万円×5年)から、600万円(年60万円×最長10年)に拡大されました。0歳から始めれば10年で上限に到達しますが、非課税での保有は18歳になるまで継続できます。
③ 非課税期間が5年→無期限に
ジュニアNISAは非課税期間が5年で、終了後は継続管理勘定への移管が必要でした。こどもNISAは新NISAと同様に非課税期間が無期限となり、長期運用で複利効果を最大限に活かせます。
「0歳から始める」と実際にどれくらい増えるのか?
こどもNISAの最大のメリットは、長期投資による複利効果です。0歳から月5万円(年60万円)を積み立てた場合のシミュレーションを見てみましょう。
| 開始年齢 | 18歳時の積立元本 | 想定運用額(年利3%) | 想定運用額(年利5%) |
|---|---|---|---|
| 0歳〜 | 最大600万円(10年で上限) | 約840万円 | 約970万円 |
| 5歳〜 | 約780万円 | 約900万円 | 約1,020万円 |
| 10歳〜 | 約480万円 | 約530万円 | 約570万円 |
💡 早く始めるほど有利:0歳からスタートすれば大学入学時(18歳)に最大で約1,000万円近い教育資金が非課税で準備できる可能性があります。幼稚園〜公立の教育費(約800万円)をほぼカバーできる規模です。
親の新NISAとどう使い分ける?家族全体の非課税枠戦略
2027年以降、夫婦2人+子ども2人の4人家族では次のような非課税枠が使えます。
👨👩👧👦 4人家族の年間非課税投資枠(2027年以降)
父 / 母(各)
360万円
新NISA(つみたて+成長)
子ども1人あたり
60万円
こどもNISA(つみたてのみ)
世帯合計(4人)
840万円/年
20年間で最大1億6,800万円の非課税枠
基本的な考え方:まず親の新NISAを優先、余裕があればこどもNISAを活用
親の新NISAは年間360万円まで投資でき、引き出しはいつでも自由です。教育費が必要になったとき、親の新NISAから資金を出す方が柔軟性があります。一方、こどもNISAは子ども名義の資産となるため、引き出しには制限があります。
まず親の新NISAをフル活用
柔軟性が高く、投資枠も大きい。夫婦で年720万円の非課税枠を最優先で使い切る。
余裕があればこどもNISAを追加
親の枠が埋まっている、または将来的に子ども自身の資産として残したい場合に有効。子どもへの金融教育の場としても機能する。
祖父母からの贈与と組み合わせる
年間110万円の暦年贈与を活用し、祖父母から資金を受け取ってこどもNISAで運用することも有効。贈与契約書の作成を忘れずに。
必ず確認しておきたい注意点
12歳未満は引き出すと全額課税される
⚠️ 12歳未満での払い出しは非課税が適用されません。12歳未満でやむを得ず引き出す場合、それまでの運用益に対して20.315%の税金がかかります。緊急時の資金は別途預貯金で確保しておきましょう。
投資商品は投資信託のみ(個別株は不可)
こどもNISAで購入できるのは投資信託のみです。個別株や外国株への直接投資は対象外となります。長期・積立・分散投資に適した商品に限定されており、教育資金という目的に合ったリスク設計といえます。
資産は法的に子どものもの
📌 口座内の資産は法的に子どもの財産です。親が自由に使うことはできず、12歳以降の引き出しには子ども本人の同意が必要となります。離婚時の財産分与の対象にはなりません(親権者が変更された場合は新しい親権者が管理)。
贈与税・名義預金に注意
祖父母が孫のためにこどもNISAへ資金を入れる場合、年間110万円を超える贈与は贈与税の対象になります。また、実態を伴わない「名義預金」とみなされると、相続発生時に相続財産として課税される可能性があります。贈与契約書を毎年作成し、振込の記録を残しておきましょう。
元本割れのリスクがある
投資信託は価格が変動するため、元本割れの可能性があります。特に引き出しを予定する数年前(大学入学の3〜5年前など)は、リスクの低い商品(債券比率の高いファンド等)へのシフトを検討することをおすすめします。
2027年開始に向けて、今からできる準備ステップ
今すぐ
親の新NISAを先に開設・活用する
こどもNISAが始まるまでの間、親の新NISA(年間最大360万円)で教育資金を積み立てます。子ども名義にこだわらなければ今すぐ動けます。
今すぐ
月々の積立額を家族で決めておく
月5万円(年60万円)が上限です。まずは無理のない金額から試算し、生活防衛資金(生活費の3〜6ヶ月分)を確保した上で積立額を設定しましょう。
2026年
証券会社の比較を始める
2026年中に各証券会社からこどもNISA対応の詳細が発表される予定です。手数料・商品ラインナップ・使いやすさを比較して口座を選びましょう。ネット証券(SBI・楽天など)が有力候補になる見込みです。
2027年
口座開設・積立スタート
制度開始と同時に口座を開設し、積立投資をスタート。年の初めに一括で60万円分を購入するか、毎月5万円ずつ積み立てるか、方針を決めておきましょう。
まとめ:こどもNISAは「開始を待つ制度」ではなく「今から準備する制度」
📌 この記事のまとめ
- こどもNISAは2027年1月スタート予定。0〜17歳が対象、年間60万円・総額600万円まで非課税
- ジュニアNISAから引き出し制限が18歳→12歳に緩和、非課税期間も無期限に
- 投資商品は投資信託のみ。個別株は対象外
- まず親の新NISAを優先し、余裕があればこどもNISAを追加するのが基本戦略
- 12歳未満の払い出しは課税対象・贈与税・名義預金など注意点を事前に把握しておく
- 今すぐできる準備として、親の新NISA活用・月々の積立額の試算から始めよう
こどもNISAは「2027年から始まる制度」ですが、長期投資の恩恵を最大化するためには今から準備が必要です。制度の詳細は2026年中に発表される予定なので、金融庁・各証券会社の情報を定期的にチェックしながら、家族での資産形成計画を立てておきましょう。
※本記事は2025年12月19日決定の令和8年度税制改正大綱をもとに執筆しています。今後の国会審議などにより制度詳細が変更となる可能性があります。実際の運用に際しては最新情報を金融庁・各金融機関でご確認ください。
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