高配当株×貸株で「二重取り」する方法|年率3〜5%の配当に貸株金利をプラスする戦略

貸株
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💡 同じ株から2つの収益を得る方法

高配当株に貸株を組み合わせると、
配当利回り+貸株金利が同時に受け取れます。

  • 配当4%+貸株金利0.3%なら実質利回り4.3%に底上げできる
  • 「コース設定を間違えると配当が丸ごと雑所得になる」罠の回避方法
  • 二重取りに向いている銘柄の選び方と、向いていない銘柄の見分け方
  • 100万円・500万円・1000万円別のシミュレーション付き

高配当株を長期保有している人にとって、貸株サービスは「知っているか知らないかだけで差がつく」仕組みです。

売らなければ株価の上下に一喜一憂するだけですが、貸株サービスを設定しておけばその間も金利が積み上がります。難しい操作はなく、証券会社のサービスに申込んでコースを選ぶだけです。

ただし、やり方を間違えると「配当が全部雑所得になって税負担が増える」という落とし穴にはまります。この記事では、二重取りの仕組みと正しいコース設定、それから「こういう銘柄には向かない」という注意点まで全部書きます。

「二重取り」とは何か 仕組みを整理する

高配当株×貸株の「二重取り」を一言で言うと、「同じ株から配当金と貸株金利を同時に受け取る」ことです。

二重取りの仕組み

配当金 年に1〜2回、保有株数に応じて受け取る
例:配当利回り4%の株を100万円分保有 → 年4万円
+ 貸株金利 貸株サービスに設定するだけで毎日積み上がる
例:貸株金利0.3%の株を100万円分 → 年3,000円
合計 実質利回り4.3%(配当4%+貸株0.3%)

貸株金利の0.1〜0.3%という数字は地味に見えますが、保有額が大きくなるほど絶対額は無視できなくなります。100万円で3,000円、1000万円なら3万円です。保有しているだけで何もしない状態と比べれば、明らかに得です。

また、貸株金利は土日・祝日・年末年始もすべて計算されます。高配当株を長期保有してほったらかしにしている間も、365日休まず積み上がっていきます。設定の手間は最初の数分だけです。

やり方を間違えると税負担が増える「罠」

貸株の設定コースを間違えると、二重取りどころか手取りが減る罠にはまります。これは本当によくある失敗なので、先に説明します。

貸株サービスには複数のコースがあり、デフォルトは「金利優先コース」です。このコースのまま権利確定日を迎えると、株主ではなく貸した相手が株主として扱われるため、受け取るのは「配当金(配当所得)」ではなく「配当金相当額(雑所得)」になります。

配当金と配当金相当額の税務の違い

配当金(正規) 配当金相当額(貸株中)
所得区分 配当所得 雑所得
課税方式 申告分離課税(20.315%)が選べる 総合課税のみ
配当控除 使える 使えない
譲渡損との損益通算 できる できない
給与所得が高い人の実効税率 20.315%(源泉分離で完結も可) 30%超になることも

給与所得が高い人が金利優先コースのまま貸株を続けると、配当金が雑所得として総合課税されて税率が跳ね上がります。貸株金利で少し稼いでも、税負担の増加で帳消しになる、あるいはマイナスになるケースが出てきます。

⚠️ 「金利優先コース」のまま権利確定日を迎えるのが最も危ない。特に高配当銘柄で配当金が大きいほど、この失敗のダメージも大きくなります。

解決策:「優待・有配優先コース」を使う

さきほどの罠の解決策はシンプルです。「優待・有配優先コース(楽天証券)」または「配当優先コース(SBI・松井)」に設定するだけです。

「優待・有配優先コース」の動作

① 配当の権利確定日の前に自動的に株が返却される
② 権利確定日には株主として株を保有している状態になる
③ 「配当金」として受け取れる(配当所得として課税)
④ 権利落ち日後に再び自動で貸株に戻る
⑤ 通常の貸株金利が再び積み上がり始める

これで配当は正規の配当所得として受け取りつつ、それ以外の期間は貸株金利も稼げます。両方取れる設定です。

📌 コース設定の方法は証券会社によって名称が違います:
楽天証券:「優待・有配優先」
SBI証券:「配当優先」
松井証券:「配当・優待優先」
いずれも「権利確定日前に自動返却して配当・優待を正規に受け取る」動作は同じです。詳しくは楽天証券の貸株設定方法記事もご覧ください。

ちなみに、権利確定日の前後数日間は貸株金利が一時的に止まりますが、これは数日分の話です。権利確定日に得られる配当の確実性と比べれば、その数日分の金利は誤差です。

金額別シミュレーション

実際の数字で見てみます。配当利回り4%の高配当株を保有し、貸株金利0.3%(目安)を追加するケースです。

保有額 配当金(年・税引前) 貸株金利(年・税引前) 合計
100万円 40,000円 3,000円 43,000円
300万円 120,000円 9,000円 129,000円
500万円 200,000円 15,000円 215,000円
1,000万円 400,000円 30,000円 430,000円

※配当利回り4%・貸株金利0.3%・税引前の概算。貸株金利は銘柄によって異なります。配当利回りは株価変動により変化します。

1000万円の保有で貸株金利だけで年3万円の追加収入になります。数字だけ見れば大きくはないですが、何も追加作業をせずに得られる金利なので、あって損はない収益です。

なお、貸株金利が0.3%より高い銘柄(1%・2%・5%など)を持っている場合は金利の絶対額がぐっと大きくなります。後述の「向いている銘柄」のセクションも参考にしてください。

二重取りに向いている銘柄・向いていない銘柄

すべての高配当株に貸株を組み合わせれば良いわけではありません。向き・不向きがあります。

向いている銘柄

✅ 継続保有特典のない高配当株

株主優待の中には「1年以上継続保有していないと特典なし」という条件がある銘柄があります。貸株サービスを使うと保有の継続性が途切れたと判断される場合があるため、継続保有特典のない銘柄を選ぶのが安全です。優待よりも配当重視で買っている銘柄がベストです。

✅ 安定した財務基盤の高配当株(減配リスクが低い)

そもそも長期保有前提の銘柄でなければ、貸株を設定する意味がありません。配当利回りが高くても財務が不安定な銘柄は減配リスクが高く、長期保有に向きません。配当性向や自己資本比率、過去の配当実績を見て選びましょう。

✅ 特定口座・一般口座で保有している銘柄

NISA口座の株は貸株の対象外です。特定口座・一般口座で保有している高配当株が対象です。

向いていない銘柄

❌ 継続保有特典のある優待株

「1年以上保有で優待グレードアップ」「3年以上保有で追加優待」などの条件がある銘柄に貸株サービスを使うと、証券会社の株主名簿上の保有期間がリセットされるリスクがあります。楽天証券では「優待優先コース」を使っても継続保有カウントが途切れる場合があります。こういう銘柄は貸株せずそのまま保有した方が賢明です。

❌ NISA口座で保有している株

そもそも対象外です。証券会社側が自動で除外するので設定しても反映されませんが、念のため確認しておきましょう。

❌ 近々売るかもしれない銘柄

貸株中でも売却は可能ですが、売却注文から実際の決済まで少しタイムラグが発生することがあります。急騰時に即日売却したい銘柄は貸株から外しておく方が安心です。

貸株金利が高い銘柄は逆に要注意な理由

「貸株金利が高いほどお得」と思いがちですが、高配当株の二重取り戦略においては少し注意が必要です。

貸株金利が高い銘柄=市場で空売り需要が高い銘柄です。空売りが増えているということは、機関投資家やヘッジファンドが「この株は下がる」と判断している可能性があるということです。

⚠️ 貸株金利が突然跳ね上がった高配当株は株価動向を要確認。貸株金利5%・10%などの銘柄は「空売りされやすい状況にある」という市場のシグナルです。金利は高くても株価が下落すれば配当利回りで稼いだ分を超えた損失になります。

二重取り戦略で目指すのは「貸株金利だけが高い銘柄を探す」ことではなく、「そもそも長期保有したい安定した高配当株に、貸株金利という追加収益を乗せる」ことです。貸株金利は主役ではなくあくまで「おまけ」。これを忘れると本末転倒になります。

NISA口座の高配当株には使えない

新NISAで高配当株を買っている方は多いと思いますが、NISA口座の株は貸株サービスの対象外です。これは楽天・SBI・松井いずれも共通です。

ただし、NISA口座と特定口座の両方で同じ銘柄を保有している場合は、特定口座分だけ貸株に設定できます。特定口座分の配当は申告分離課税の対象として受け取り、NISA分は非課税で受け取る、という組み合わせも可能です。

📌 NISAと貸株の関係については貸株とNISA 口座の使い分けを解説した記事で詳しく書いています。

今すぐできる設定手順

二重取りをはじめるための手順は3つだけです。

STEP 1 貸株サービスに申込む(未申込の場合)

各証券会社のサイトから貸株サービスに申込みます。信用取引口座は不要です。楽天証券ならマイメニュー→申込が必要なお取引→貸株サービスの順で申込めます。

STEP 2 コースを「優待・有配優先」に設定する(最重要)

ここが一番重要です。楽天証券のiSPEEDなら「資産・照会」→「保有銘柄一覧」→銘柄タップ→「貸株設定」→「優待・有配優先」を選択。詳しくは楽天証券の貸株設定方法記事を参考にしてください。

STEP 3 継続保有特典のある銘柄は「未貸」にしておく

継続保有要件のある優待株は銘柄ごとに「未貸(貸出さない)」に設定しておきましょう。それ以外の長期保有予定の高配当株はすべて「全貸」で問題ありません。

設定は以上で完了です。あとはほったらかしで、翌月第2営業日に貸株金利が入金されます。

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まとめ

📌 高配当株×貸株 二重取り戦略のポイント

二重取りとは 配当金+貸株金利を同じ株から同時に受け取ること
一番やってはいけないこと 「金利優先コース」のまま権利確定日を迎えること
正しいコース設定 「優待・有配優先(楽天)」「配当優先(SBI・松井)」
向いている銘柄 継続保有特典なし・財務安定・特定口座保有の高配当株
向いていない銘柄 継続保有特典あり・NISA口座・急騰時に即売りしたい銘柄
貸株金利が高すぎる銘柄 空売り需要が高い=株価下落リスクのシグナルでもある

高配当株投資はそもそも「長く持ち続けることで配当を積み上げる」戦略です。保有している間は株価の動きに関係なく、毎年配当が入ってくる。貸株はそこにさらに毎日の金利を上乗せするものです。設定のコストは最初の数分だけで、あとはほったらかしで機能します。まだ設定していない方は、ぜひ今週中に一度確認してみてください。


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※本記事の情報は2026年3月時点のものです。貸株金利・配当利回りは変動します。税務上の取り扱いは個人の所得状況によって異なるため、詳細は税理士等の専門家にご相談ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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