NISAでは貸株ができない?

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結論としてはNISA口座で保有している株は貸株サービスを利用できません。これは制度的な理由があり、例外もありません。ただし、NISAと貸株を「うまく組み合わせる」戦略は存在します。

この記事では、NISA口座で貸株ができない理由から、NISAと貸株を賢く使い分け方法等について解説します。

結論:NISA口座の株は貸株できない

主要証券会社すべてで、NISA口座(新NISA・旧NISA・ジュニアNISAいずれも)で保有している株式は貸株サービスの対象外です。

口座の種類 貸株サービス 売却益・配当の課税
特定口座(源泉徴収あり) ✅ 利用可能 課税(自動源泉徴収)
一般口座 ✅ 利用可能 課税(自己申告)
新NISA(成長投資枠) ❌ 利用不可 非課税
新NISA(つみたて投資枠) ❌ 利用不可 非課税
旧NISA(一般・つみたて) ❌ 利用不可 非課税(期間中)
ジュニアNISA ❌ 利用不可 非課税(期間中)

SBI証券・楽天証券・松井証券・マネックス証券など、主要なネット証券すべてでこのルールは共通です。「NISA口座だけど貸株できる証券会社はないの?」という疑問もよくありますが、現時点では国内のどの証券会社でもNISA口座の貸株は不可です。

なぜNISA口座では貸株できないのか?

単なる証券会社のルールではなく、制度上の理由があります。

貸株サービスを使って株を貸し出すと、株主名簿上の名義が証券会社(または借り手)に書き換わります。ところがNISA口座は、「口座の名義人(=あなた)が保有していること」を前提に非課税が認められる制度です。名義が変わった時点でNISAの非課税適用条件を満たさなくなる可能性があるため、制度的に貸株が認められていません。

💡 シンプルに言うと:NISAの非課税メリットは「あなたが株を持っていること」が大前提。貸株で名義が動くとその前提が崩れるため、制度的に共存できない。

これは証券会社がサービスを提供していないのではなく、法制度の構造上、不可能なのです。将来的に制度が改正されない限り、変わることはないと考えておきましょう。

新NISAの基本をおさらい

NISAと貸株の使い分けを考えるうえで、新NISAの構造を整理しておきます。

項目 つみたて投資枠 成長投資枠
年間投資上限 120万円 240万円
生涯非課税限度額(合計) 1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで)
非課税保有期間 無期限 無期限
投資対象 一定の投資信託のみ 国内外の株式・ETF等
貸株サービス ❌ 不可 ❌ 不可
両枠の併用 ✅ 可能(年間合計360万円まで)

新NISAの最大のメリットは売却益・配当が完全非課税(期間無制限)である点です。これは非常に強力なメリットで、長期の複利運用においては貸株金利を上回るリターンをもたらす可能性があります。

NISAと貸株を賢く使い分ける戦略

「NISAで買った株は貸株できない」という制約がある以上、両方のメリットを活かすには「どの株をどの口座に置くか」を意識することが重要になります。

基本の考え方:「非課税メリットが大きい株」をNISAへ

NISAに入れると最も恩恵が大きいのは、長期間保有することで大きな値上がり益・配当が期待できる銘柄です。売却益や配当が非課税になるため、成長株・高配当株との相性が抜群です。

一方、NISAの非課税メリットが相対的に小さくなるのは、値動きが小さく配当も少ない安定型銘柄です。こうした銘柄は課税口座(特定口座)に置いて貸株金利を稼いだほうがトータルでお得になるケースがあります。

📊 口座振り分けの考え方

銘柄の特性 おすすめ口座 理由
成長株(大きな値上がりを期待) NISA 売却益が非課税になる恩恵が大きい
高配当株(配当収入が大きい) NISA 配当が非課税になり長期で差が出る
低成長・低配当の安定株 課税口座+貸株 貸株金利で上乗せ収益を得やすい
貸株金利が高い銘柄 課税口座+貸株 金利収入を得ながら、そもそも長期保有前提の銘柄
インデックスファンド(投資信託) NISAつみたて枠 貸株不可だが、そもそも投資信託は貸株対象外

「NISAで買いたいけど貸株金利も欲しい」銘柄はどうする?

同じ銘柄をNISAと課税口座の両方に分けて保有するという方法もあります。たとえば、ある銘柄を100株NISAで買い、さらに100株を課税口座で買って貸株に出す、という形です。

⚠️ 注意:この方法はNISAの生涯枠(1,800万円)の消費と、課税口座分の税負担を両方考慮する必要があります。NISA枠に余裕がある場合は有効ですが、枠が限られている場合はNISAを優先させる方が合理的です。

口座別・ポートフォリオの組み方(具体例)

たとえば、以下のような形で口座を使い分けると、NISA・貸株両方のメリットを最大化できます。

💼 ポートフォリオ例:3口座の使い分け

① NISAつみたて投資枠(月10万円まで)

全世界株式インデックスファンドを毎月積立。長期の資産形成の軸。貸株は不可だが、そもそも投資信託は貸株対象外のため気にする必要なし。

② NISA成長投資枠(年240万円まで)

高配当の個別株や成長株を保有。配当・売却益が非課税になる恩恵を最大化。貸株は不可のため、「NISAで持つなら貸株は諦める」と割り切る。

③ 課税口座(特定口座)+貸株サービス

NISA枠を使い切った銘柄、または低成長・安定型の長期保有銘柄を置く。「配当優先」設定で貸株金利を自動取得。売却益・配当は課税されるが、貸株金利で収益を上乗せ。

よくある質問

Q. 課税口座で買った株をNISA口座に移すことはできますか?

できません。NISA口座へは新規購入のみが認められており、他口座からの移管はできません。課税口座で保有中の株をNISAに移したい場合は、一度売却してからNISA口座で買い直す必要があります(売却益に税金がかかること、NISAの年間投資枠を消費することに注意)。

Q. 旧NISAで持っている株も貸株できませんか?

できません。旧NISA(一般NISA・つみたてNISA)で保有している株も、新NISAと同様に貸株不可です。非課税保有期間が終了して課税口座に移管された後は、貸株の対象となります。

Q. 信用取引口座があると貸株できないと聞きましたが?

証券会社によって異なります。松井証券・マネックス証券では、信用取引口座を開設していると貸株サービスが利用できない場合があります。一方、SBI証券・楽天証券は信用取引口座があっても貸株が利用可能です。利用する証券会社のルールを事前に確認してください。

Q. NISA口座の株に貸株金利がつかない分、損をしていますか?

感覚的にはそう感じるかもしれませんが、トータルでは損ではありません。NISA口座では売却益・配当が非課税(税率20.315%の税負担ゼロ)になります。長期保有で資産が成長するほど、この非課税メリットは貸株金利(0.1〜数%)を大きく上回ります。「非課税 > 貸株金利」が多くのケースで成り立つため、NISA口座に貸株がつかなくても合理的な判断といえます。

まとめ

📌 この記事のポイント

  • NISA口座(新NISA・旧NISA・ジュニアNISA)で保有する株は貸株不可。例外なし
  • 理由は「名義変更が認められていない」という制度上の制約。どの証券会社でも同じ
  • 貸株が使えるのは特定口座・一般口座で保有している株のみ
  • NISAと貸株は「どの株をどの口座で持つか」を戦略的に考えることで両立できる
  • 成長株・高配当株はNISAへ。低成長の安定株は課税口座+貸株で金利を上乗せ
  • 長期でみるとNISAの非課税メリット > 貸株金利であることが多い。NISAを優先する戦略が基本

NISAと貸株は「併用できない」のではなく、「口座を分けて両方活用できる」サービスです。NISA枠を成長株・高配当株で最大限活用しつつ、課税口座の長期保有株で貸株金利を稼ぐ――この組み合わせが、個人投資家にとって最も効率的な資産活用の形のひとつです。

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課税口座で貸株を使うなら、どの証券会社の金利が高いか確認しておきましょう。

※本記事の情報は2026年2月時点のものです。NISA制度・各証券会社のサービス内容は変更される場合があります。最新情報は金融庁および各証券会社の公式サイトでご確認ください。本記事は投資を勧誘するものではありません。

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