見かけは高金利でおなじみトルコリラ
FXの取引通貨や外貨預金において、かなりの高金利で一瞬魅力的なトルコの通貨リラです。FXを始めた頃はそのスワップポイントの高さで持っているだけで「増える?」なんて思っていました。
現在のSBI証券で募集されている債券の利回りは10%近くになっています。
税引き後で約7.5%だと一見すごく見えますが、あくまでこれはトルコリラ建てなので、実際にどれくらいの利回りになるかは、将来の為替によって変わります。
ではそのトルコリラ/円の為替を見てみましょう。5年前から現在まで週足のチャートがこちら
見事なまでに右肩下がりです。特にここ3年ほどで半分くらいの価値にになってしまっています。
高金利に見えても、このように通貨自体の価格の下落によって利益が相殺されるどころか損をしてしまうこともあります。
なぜトルコリラは安いのか
ではなぜ、ここまでトルコリラは安いのかを考えてみましょう。
新興国通貨全体に言えることですが、アメリカが利上げをすると宣言したため、より金利がつくであろうアメリカへ資金が行き、アメリカドルが高くなりました。さらにそれに伴ってドル建てでお金を借りていた企業が多かったりする国は返済が難しくなって、経済に悪影響が出るだろうからさらに安くなるというと考えられています。
さらにトルコに関しては、国内の資金が逃げないように金利をあげるべきだったのにも関わらずやらなかったなどの適切な政策を打てていませんでした。そして追い打ちをかけているのは、新政権において経済政策を担当するのが経済学者や実務経験豊富な政治家ではなく、大統領の娘婿という残念な人事が発表されたからです。
参考:Bloomberg
トルコリラは上がりますか?
ただ、さすがにここが底だと信じたいですし、あまりにも今まで通貨が下がってきたので、下げが一服してほしいですが、長期的には下落傾向が続きそうです。
よく誤解されがちなのが、為替が下がってもそのうち戻るだろうと思いがちですが(僕自身も昔はそう誤解してました)それは経済が成熟した先進国の話であって、トルコをはじめとしたまだ成長中の国はインフレ率が高く、為替の下落を高いインフレによって吸収するため、なかなか再浮上しません。
新興国通貨建てで投資するときには表面の利回りではなく、為替自体がどのように動くのかを長期で見ていかなければいけません。
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